オンラインの協力アクションで、攻撃ボタンを押したのに少し遅れて剣が振られたり、回避を入れたのにその前にやられていたり、という経験はないでしょうか。通信のラグで、自分の操作と画面がズレる感覚です。
Dungeon Wanderers は4人協力のオンラインゲームなので、ここは妥協したくない部分でした。今回はその設計方針の話を書きます。
サーバーが全部を決める作りで、手触りが崩れた
以前、別の戦闘システムを参考にしていた時期がありました。それは、サーバーが全ての判断を握る作りでした。攻撃が当たったかどうかも含めて、何もかもをサーバーが決める方式です。一見すると、不正やバグに強く、正しそうに見えます。
ただ実際に動かすと、ラグが乗った瞬間に手触りが崩れました。ボタンを押してから反応が返るまで、通信の往復ぶん待たされる。正しいけれど気持ちよくない、という状態です。これでは、このゲームで重視している駆け引きが成立しませんでした。
操作はまず手元で発動させる
そこで、方針を逆にしました。
攻撃・回避・パリィ・ガードといった戦闘の操作は、まずプレイヤーの手元で即座に発動させる。サーバーの返事を待たない。ボタンを押した瞬間に剣が振られる。これを前提にしました。
そのうえで、サーバーには取り返しのつかない部分だけを守ってもらいます。HPの最終的な増減、ドロップしたアイテム、レアの抽選、冒険の進行。こうした資産に関わる確定は、サーバーが責任を持つ。手触りは手元の端末、結果の公平さはサーバー、という役割分担です。
協力プレイ(PvE)だからできる割り切り
これは対人対戦(PvP)では難しい割り切りだと思います。プレイヤー同士が競う場合、わずかな不正も許されないので、サーバーが厳しく管理せざるを得ません。
Dungeon Wanderers はプレイヤー対環境(PvE)の協力ゲームです。仲間と一緒に敵へ立ち向かう遊びなので、多少ゆるくても、まず操作が即反応することのほうを優先していい。みんなで気持ちよく戦えることを上に置ける。これは協力ゲームだからできる判断だと考えています。
もちろん、極端なラグでもなるべく不公平が出ないような補正は入れています。ただ、その上でいつも優先するのは、プレイヤーの入力を遅らせないことです。
目指しているのは、ラグを意識しない戦闘
理想は、オンラインであることを意識せずに集中できる状態です。ボタンを押せば即反応する。読み合って、踏み込んで、パリィを取る。その一連が、通信のことを気にせずつながる。
派手な演出で見せるのではなく、反応の良さで気持ちよさを作りたい。ここがこのゲームで一番譲れない部分です。
ここまで3回、移動・乗り越え・戦闘の手触りについて書いてきました。今後は、敵を倒してアイテムを拾う冒険の一周や、自分だけのキャラクター作りについても書いていく予定です。
